2012年4月26日木曜日

05.レコードの録音と編集

レコードの録音と編集をするにはソフトウェアが必要ですが、大抵はサウンド・デバイスを買うと附属の編集ソフトが付いてきます(安い製品を除く)。 



ここではサウンド・ブラスターに付いてきた「Sound it! 3.0 L.E.」と、オンキョーSE-U33GXVに附属の「Digi On Sound 5 L.E.」を使って説明しますが、細かい部分の違いはあっても大体やっていることは似たようなものです。 

新規ファイルを開く:


「Digi On Sound 5 L.E.」の新規ファイルを開いたところ。 環境設定を開くとデフォルト(初期設定)で、「サンプリング周波数:44,100Hz、量子化ビット数:16ビット、チャンネル:ステレオ」となっていますが、これはCDと同じ基準値となります。

 これは「Sound it! 3.0 L.E.」で新規ファイルを開くと出ますが、規定値のままで「OK」とします。 「24ビット」でも録音出来ますがファイル容量が大きくなるだけでなく、WAVファイルで保存した時にWindowsのメディア・プレイヤーでは「コーデックが取得できません」となって聴くことができません。 試しに両方で録音して聴き比べたことがありますが、ほとんど違いは分かりませんでした。


 こちらが「Sound it! 3.0 L.E.」の新規ファイルを開いたところ。 どちらも日本語表示で似たように見えますが、ソフトが速く開くのはこちら。 もっとも録音終了後にサッとウェーブが表示されるのは「Digi On」で、こちらは読み込みに時間がかかります。

入力レベルを開く:

 「Digi On」は「表示」から「コントローラー」と「ミキサーコントロール」を開きますが、「ツールバー」右側のアイコンをクリックしても開けます。 録音などの操作は上の「コントローラー」で行い、入力レベルは下の「ミキサーコントロール」の左側に表示されます。 ツールが分割されているので、ちょっと使いにくいです。

こちらは「Sound it!」で、「設定」→「入力レベルを開く」とすると表示されます。 録音をする前に、まずはレコード・プレイヤーの馴らしも兼ねて、入力レベルを調整しましょう。 一番音圧の高い辺りで、たまに赤色がつくくらいにしておきます。 

 これはわざと入力レベルを上げてみましたが、これではレベルが高過ぎます。 音圧が低い場合は後からゲインで音圧を上げることができますが、レベルが高すぎると音が割れて、後からは修正できません。

こちらは「Digi On」のミキサーコントロールで、「ステレオ」と「モノラル」が選べるようになっていますが、どちらも左右のレベルは調整できません。 時々片側のチャンネルに音が偏ることがあるので、調整できると良いのですが・・・ そのあたりが附属ソフトの限界でしょうか。






外付けのサウンド・デバイスは手元で入力レベルが調整できますが、内蔵型のサウンド・カードやオン・ボードのサウンド・チップの場合は自分で入力レベルの設定をしないとなりません。
「サウンドとオーディオ・デバイスのプロパティ」(WindowsXPの場合)を開き、「オーディオ」の「録音」にある「音量」をクリックすると「録音コントロール」が出ますから、中央の「ライン入力」にチェックを入れてレベルを調整します。 これをやらないと音が出ないことがあるので、音が聞こえない場合は確認してみて下さい。


●録音の開始:
こちらは「Sound it!」の右下にある操作ボタンで、赤い丸の録音ボタンを押せば録音が始まります。 直感的で分かりやすいですね。
こちらは「Digi On」のコントローラーですが、赤い丸の「録音」ボタンを押してから、さらに緑の「再生」を押さないと録音が始まりません。 カセット・デッキみたいですが、録音前にレベル調整をするにはこの方が良いかも・・・

「録音」ボタンを押してから、レコード・プレイヤーをスタートさせます。 針が降りる時と上る時には大抵ノイズが入りますが編集時にカットすれば良いので、 余裕を持ってスタートしましょう。
録音中は、ノイズを気にしない手抜き派の方を除き、なるべくそばを離れずに音をモニターするようにして下さい。 ノイズが入っていたらスタートしてからの時間や曲目をメモしておくと、後でノイズを除去する時に役立ちます。


●録音の停止:
 レコードの演奏が終わったら、四角い「停止」ボタンを押して録音を終了します。 上は「Digi On」の画面ですが、すぐにウェーブが開きます。 上の画像はクリックすると拡大表示されますが、このままでも最初と最後にレコード針の触れるノイズが入っているのが分かるでしょう。


 こちらは「Sound it!」の画面ですが、読み込みに少し時間がかかります。 二つのソフトで同じレコードを同時に録音していますが、波形の見え方が少し違いますね。 こちらはL(左)とR(右)チャンネルが色分けされているので分かりやすいです。


●ファイルの保存:
とりあえず録音だけしておいて、編集は時間のある時にやりたい場合は、「編集」→「名前を付けて保存」としておけば、いつでも開いて編集することができます。 

「Sound it!」は非圧縮のWAV(ウェーブ)ファイルがデフォルト(初期設定)になっていて、「Digi On」の場合はそのソフトウェア固有のファイル形式(dgs)で保存されますが、WAVファイルで保存したい場合は「ファイル」→「書き出し」からファイルの種類を「Wave(WAV)」とします。 WAVファイルなら他のソフトウェアで開いたり、そのままの形でCDに焼くこともできるので、その方が便利かもしれません。

レコードの場合A面とB面があるので、続けて録音したい場合は新たに新規ファイルを開いて録音しますが、録音が完了したファイルはとりあえず保存しておくと失敗が少なくなります。 突然の停電やPCがシャットダウンした時でも、保存さえしておけばやり直しが利きますので。

●録音したファイルの編集:

【最初と最後にあるノイズの削除】
レコードの録音は、針が降りた時と上る時に大抵ノイズが入るので、そこだけでもカットしておくと聴きやすくなります。

波形の時間軸を「+」をクリックして引き伸ばすと、1曲目の頭に針が降りた時のノイズが入っているのが分かります。 この辺りはどのソフトウェアでも同じなので、「Digi On」の画面でやってみましょう。

曲の頭に1~2秒の無音部分を残し、余分をノイズと共にドラッグして、「編集」→「カット」(アイコンのハサミ・マーク)をクリックします。

これで最初のノイズ部分がカットされました。


続いて終わりの部分のノイズも同じようにカットします。(これは「Sound it!」)

これで最初と最後のノイズが削除されたので、レコードの片面を一まとめにして聴きたい場合はこれで完了です。

【曲間のノイズの除去】
レコードのノイズで気になるのが、曲と曲の間の無音部分です。 曲の終わりの部分はフェイド・アウトをかけるとスッキリするし、無音部分はゲインで音圧を下げるか、カットしてから無音部分を挿入すると良いでしょう。

【フェイド・アウト】

曲の終わりの部分を引き伸ばし、その部分を再生して、無音状態になるところで止めます。 これはレコードを洗ったので、曲と曲の間はかなりきれいですね。


曲が完全に終わるあたりから2~3秒さかのぼったあたりまでをドラッグすると色が変わるので、「加工」→「フェイド・アウト」を選んで別枠のツールが出たら、「OK」をクリックします。
これは「Sound it!」の画面ですが、フェイド・アウトの曲線はマウス・ポインタを当ててドラッグすると好のみのカーブに変更できます。


これがフェイド・アウト後の波形で、終わりの部分が完全に無音状態になっています。 加工をした後は必ずその部分を再生して聴き直して下さい。 うまく行かない場合は「アンドゥ」(取り消し)で何度でもやり直しができます。


【音圧を下げる】(無音状態に近づける)
続いて曲の前の部分を加工します。 これは洗浄後のかなりきれいなレコードですが、円で囲んだ部分に「プツッ」というレコード特有のノイズが入っていました。


曲の前のノイズが入っている部分をドラッグすると色が変わるので、「加工」→「ゲイン」をクリックして別枠が開いたら、音圧を目いっぱい下げます。 このソフトウェアではー12db(デシベル)まで下げられるので、それで「実行」をクリックして下さい。
音圧を下げる代わりにその部分を「カット」して、新たに無音部分を「ブランク」で2秒ほど入れれば完全な無音状態になります。


これで曲間のノイズがきれいに消えました。 再生して問題がなければ完了です。
今回は音圧を下げましたが、録音したファイルの音圧レベルが低い場合は、逆に2~3db 上げるという使い方もできます。

【「Digi On」の場合】
次に 「Digi On」で同じことをやってみますが、このソフトはフェイド・インとフェイド・アウトが一緒になっていて、その分工程が増えるのでちょっと面倒です。
加工部分をドラッグして、「エフェクト」→「フェイドイン・アウト」をクリックします。 

その後、左上に表示される「フェイドイン・アウト」をクリックして、「フェイド・アウト」を選び、更に「サイン(曲線)」か「直線」かを選び、その後で「確定」をクリックします。
「直線」を選んでから、直線にマウス・ポインタを当てて引っ張ると曲線に変更することができるので、慣れれば自分好みの曲線も作れます。

これは「曲線」(サイン・カーブ)でフェイド・アウトしていますが、変更する範囲が狭いのでかなり急な変化になってしまいました。 最終的には自分の耳で聴いて判断して下さい。


今度は曲の前の無音部分をドラッグして、「エフェクト」→「レベル」をクリックすると別窓が開くきますが、このソフトは-60db(デシベル)まで音圧を下げられます。

「OK」をクリックするとほぼ無音状態になるので、終わりと始めの部分を聴き直して、問題がなければ完了です。 こうすることで、ノイズのあるレコードでも聴きやすくなります。

ノイズの除去
ノイズは曲の終わりの方であればフェイド・アウトで目立たなくすることができますが、曲の中に入っているとやっかいです。 全体に入っているヒス・ノイズなどであればフィルターを使いますが、今回はレコードに特有の「ポツ・ポツ」音を消してみます。

先程の曲の始めに入っていたノイズを除去してみましょう。 曲を再生して「プツッ」というノイズの入る辺りをクリックすると、縦線が入ります。

下の「+」(プラス)をクリックして時間軸を横にうんと引き伸ばしてみると、赤丸で囲んだところにノイズが入っているのが見つかりました。 これは右チャンネルだけです。

それを更に引き伸ばし、ノイズの部分をドラッグします。 コツとしては音圧がゼロとゼロのところを結んで、後でスムースにつながるようにして下さい。

分かりやすいように、ノイズ部分を拡大表示してみました。 上の目盛りは大きな目盛りが0.001秒(千分の1秒)、小さな目盛りが0.0001秒(1万分の1秒)ですから、ノイズの範囲は約0.003秒であることが分かります。

ツールの「カット」(ハサミのマーク)をクリックすると、ドラッグしたノイズ部分がカットされ、前後の部分がつながります。 音圧がゼロとゼロの間を選んだのは、こうしてスムースにつなげるためでした。 (上下に段差ができると、その部分がノイズのように聴こえます)

カットしないで、その部分の音圧を下げるというやり方もありますが、わずか一瞬でも音圧が下がると聴いた時に違和感があるので、どちらが良いかは実際にやって聞き比べてみると良いでしょう。 こんな風に全体が無音状態に近い波形なら、音圧のレベルを下げるやり方でもできるはずです。 こうしたソフトは、アンドゥ(取り消し)で何度でもやり直すことができるので、色々試してみて下さい。

今度は横方向の時間軸を「-」(マイナス)をクリックして元に戻し、その部分を試聴してみて下さい。 カットした部分が違和感なくつながって、ノイズが消えていればOKです。 これができるとノイズが多少入っても苦になりませんが、入らないのがベストなので、レコードはなるべくきれいな状態にしてから録音するようにして下さい。

1曲ずつに分けて保存する
ノイズの除去が済んだら、1曲ずつに分けて保存しましょう。 多少面倒でもその方がCDと同じように自由な選曲ができるし、やっておけば後々便利だからです。 「Digi On」だと曲を分割して保存してくれる機能が付いているので、簡単に分けられます。

これは「Digi On」の画面ですが、曲間の無音部分をクリックして縦線を入れ、「編集」→「キューポイントの挿入」とすると、その部分が破線に変わります。

全曲の間にキューポイントが付きました(最初と最後は不要です)。 次に「ツール」→「サウンド分割」をクリックして、「キューポイントに従って分割」にチェックを入れます。 何もせずに「無音部分で分割」とすると、曲の出だしのところで分けられてしまうのでご注意下さい(頭の無音部分が無くなります)。

次に保存先とファイル形式を選びます。 良い音質で残したい場合は、非圧縮のWAV(ウェーブ)ファイルを選びましょう。 
他に圧縮形式のmp3や、ウィンドウズのWMA(ウィンドウズ・メディア・オーディオ)も選べますが、先に圧縮してしまうと元には戻せないのでご注意下さい。

6曲のWAVファイルが自動的に分けて保存されました。 ライヴ録音のように全体がつながっているものを分割しても、再生時にはつながって聴こえるという便利な機能です。

ファイルには曲順に番号が振られていますが、その後ファイルを右クリックして「名前の変更」とすればタイトルを入れられます。 その際はタイトルの頭に「01.」、 「02.」と入れておくと、曲順に並べることができます。 番号は頭に0(ゼロ)を付けないと、1の前に10が来るので注意しましょう。

一時保存しておいた録音ファイルは、編集と分割が済んだ後は不要ですから、用がない限り削除しても構いません。 非圧縮の音楽ファイルは60分で600MBくらいになりますから、パソコンのHDD(ハードディスク・ドライヴ)に余裕のある人以外は整理しておく方が良いでしょう。

こちらは「Sound it!」ですが、古いソフトのせいか曲の分割機能はありません。

面倒ですが1曲ずつドラッグし、「ファイル」→「選択範囲を別名で保存」とします。 「名前を付けて保存」とすると、ドラッグした箇所ではなく全体が保存されてしまうので注意して下さい。

別窓が表示されるので、通し番号とタイトルを付けて保存します。 ファイル形式は非圧縮のWAVやウィンドウズのWMAが選べますが、mp3には対応していません。 でも使いやすい無料ソフトがあるので、このあと紹介いたします。


 【Digi On Sound 5 L.E.について:】

「Digi On Sound 5 L.E.」は、良く使うフェード・インとフェード・アウトが一体になっていてやりにくい点を除けば割と使えるソフトウェアですが、起動に時間がかかるだけでなく、待ち時間に表示されるイメージが良くないのが悩みの種でした。(特に色が汚い)

それで画像編集ソフトを使って、好みのイメージに作り変えてみたのが上の画像です。
この画像は「Program Files」→「Digi On」→「Images」の中に入っていますが、この程度のことでしたら色の塗りつぶし機能を使えば簡単にできます。 右端の写真もあまり良くないので、左端の画像をコピーして貼り付けてみました。 
この画像は「splash」というタイトルですが、オリジナルを消したくなければ名前の後にAとかBとかを付けておき、変更した画像を「splash」としておけば変更後の画像が表示されます。

「Digi On Sound 6 L.E.」 も使ってみましたが、インターフェイスの色やデザインなどが違うだけで、肝心のツール自体はほとんど変わりませんでした。